『ファイナルファンタジーIX』20周年スペシャルインタビュー Vol.1
7月7日に発売から20周年を迎える『ファイナルファンタジーIX』、当時の開発に関わっていた青木和彦さん、板鼻利幸さん、伊藤裕之さんにお話をお伺いしました。
『FFIX』開発当時の思い出や、『FFIX』に対する思いなどここでしか聞けない内容盛りだくさんでお届けいたします!
第1回は、『FFIX』のイベントデザインやシナリオを手掛けた青木和彦さんにお話をお伺いしました!
『FFIX』と言うと、シリーズにおいては「原点回帰」という言葉で紹介されることもありますが、制作側から見た時にはどのような位置づけの作品だったのでしょうか?
青木:原点回帰とクリスタルの復活のスローガンは当初からありました。ですから舞台も中世のファンタジーをイメージしたものになっています。
確かに『FFVII』や『FFVIII』のSF要素から一気にファンタジー系に戻り、過去のFFタイトルのキャラや乗り物の名前も出てきたりする。これも原点回帰というテーマで、当初から想定して制作されたものでしょうか?
青木:当初から想定したものもありますが、作成過程で担当者が作り上げたものもあります。
生まれたてのチョコボ、ボビィ=コーウェン… 略すとボコですよね。
土台は10%。残り90%を開発者一人ひとりが自分の思いを乗せていく…というのがFFに限らず、うちの作り方だと思っています。
『FFIX』の主人公たちはそれぞれバックグラウンドを持って戦います。
お気に入りのキャラクターはいますか?理由もあれば教えて下さい。
青木:特定のキャラに偏らないよう、あえてお気に入りは作らないように心がけていました。
盛り込みたいエピソードもありましたが、時間と容量の関係で泣く泣く諦めました。
二人の関係を面白く思わないトレノの貴族たちとの関係悪化、壁にぶち当たるジタンと強大な女王の権力を有するガーネットを描くことで、格差に悩むがそこから立ち直ってゆくジタンをもう少し描けたらなぁなんて当時思っていました。
NPCもキャラクターが立っていますが、こちらについてはいかがですか?
青木:こちらについても偏りはありません。私の中ではメインキャラとかサブキャラとかの区別もありませんでした。実際に画面内でストーリーが動き出すとマーカスの実直さとかガーランドの苦悩とか登場人物一人ひとりをもっと掘り下げて描かなければという思いが強くなっていきました。
タンタラスのゲネロ・ゼネロ・べネロとその兄弟はそのビジュアルも異彩を放っています。彼らはどのように生まれたのでしょうか?
青木:マスターアップの直前まで、兄弟の影も形もありませんでした。
『FFIX』に限らず、FFシリーズはすべての要素が入った後、3,4か月かけてブラッシュアップします。もっと面白く、もっとわかりやすく、もっと発見を…開発者としては作り直すくらいの気持ちで、この作業に取り掛かります。そんな最中に突然現れたのがこの兄弟たちです。
『FFIX』ではキャラクターたちの頭身がそれまでより下がりました。何か理由がありますか?
青木:頭身を下げた理由は知りませんが、カットシーンチームからは『FFVIII』で積み上げたノウハウが使えないので試行錯誤を重ねてるという話は度々聞いていました。
愛くるしさや笑いの取りやすさを感じますが、そんなキャラたちが一転シリアスな感情を出す場面ですごく説得力のある表現をしてくれる良いバランスなのではないかと感じています。
名言や印象的なセリフが多かったイメージがあります。ロード中に流れるCGカットでの文言、アートなどは誰の発案だったのでしょうか?
青木:カットシーンのリーダーとイベントスタッフがゲーム中の台詞をピックアップして作成しました。登場人物の生きざまをしっかりと描くぞという決意表明でもあります。
モンスター側にもラグタイムマウスのクイズ形式のバトルなど変わったギミックを持つものが登場したりします。お気に入りのモンスターやギミックはありますか?
青木:私のお気に入りは特殊なモンスターとは言えないかもしれませんが、クレイラで登場する黒魔道士たちです。彼らとの戦闘に勝利してもパーティキャラたちは勝利のポーズをしません。バトルチームがシナリオを汲んでそういう形にしてくれました。初めて見たとき、おお!万歳しないんだ、と驚きました。
今もそうかは知りませんが、イベントとバトル間ってほぼ会議をせずに開発するんですよね。別に仲が悪いわけではありません。
『FFIX』には多くのミニゲームがあり難易度もなかなかですが、記憶に残っているものはありますか?
青木:「ここほれ!チョコボ」です。ディレクターから世界中を回る遊びが欲しいということで、概要は30分もかからず固まりましたが、実装者が細かいところまでこだわりながらかなりの時間をかけて作り上げてくれました。
『FFIX』の楽曲は植松さんが手がけられていますが、キャラクターやストーリーを表現する上でも重要なポイントだと思います。その中でも、特に印象に残る曲があったら教えてください。
青木:植松さんがハワイのオフィスに初出勤した時にブースで聞かせてもらった曲。
今回のお勧め曲は?の問いに応えて流れた曲を聴いてすぐにストーリーの一部を思い当たりました。のちに「独りじゃない」と命名される曲です。
「まだ、変更入るの?」「ごめんなさい。もうちょっといじりたい。」とぎりぎりまで時間が掛かっていたので作曲作業が大変だったと思います。
制作中に苦労した点や印象に残った点などはありますか?
青木:最後の数週間は容量との戦いでした。日々増えていくデータを見ながら、ストーリーをどこで区切ればそのディスクに入れるデータ量がこうなるから、各4枚のディスクに収めることができる…という調整に頭を悩ませていました。
その他、『FFIX』に関わったことで感じたこと、今でも多くいらっしゃる『FFIX』ファンの皆様へのメッセージなどいただければと思います。
青木:『FFIX』の打ち上げに300人ほど集まりました。日本とハワイで分かれて開発していたこともあって1/3は初めて見た顔…これだけ多くの人間が関わっていたのかと改めて驚きました。
『FFIX』が多くの方々に愛されていることは大変うれしいですし、それ以降の仕事と向き合う中で大きな力となっています。
私だけでなくこの作品の製作に関わった多くの開発者みんなが感じていると思います。
当時の打ち上げに来てたみんなと一緒に20周年をお祝いしたいですね。
打ち上げも終盤に差し掛かった頃、壇上に効果音チームが上がってきました。
「FFXではブリッツボールというものがあり、大観衆がコールするシーンがありますので声撮りのご協力お願いします!」…そうか、もうXの製作始まってるんだよな。
終わったと思ったら、新しいFFが始まった。こうやってFFはずっと続いていくのかと感じました。
本日はありがとうございました!
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